テキサス大学による最新の研究が示すところによれば、これまで一切運動を行ってこなかった中高年の人々でも、運動を始めることで体の若さを再び取り戻すことが可能だとのこと。

この研究では、45から64歳の男女53人を対象に、2年間の運動実験が行われました。

参加者は全員、健康診断の数値は良好であるものの、これまで一切運動を行ってこなかった人々でした。彼らは、アメリカ心臓協会が推奨する運動ガイドラインに沿った運動を行い、その結果を追跡しました。

具体的な運動プログラムは、ビギナー、中級者、上級者向けの3段階に分けられ、
・ビギナー向けは週5回以上、1日30分の早歩きか軽いジョギングを行い、
・中級者向けは週3回以上、1日25分のランニングか水泳、競技スポーツを行い、
・上級者向けは週3~4回以上、1日40分のランニングや水泳、縄跳びを行うものでした。

また、週に2回の筋トレもオプションとして提供されました。

2年後の結果、参加者たちは年齢にともなう血管や心臓の老化が逆転し、酸素摂取量も増加し体全体が若返ったという驚くべき結果が示されました。

しかし、運動の内容には選り好みが必要で、ヨガと筋トレだけでは改善のメリットが見られなかったとのことです。最低でもウォーキング程度の有酸素運動が必要と結論付けられました。

研究結果を踏まえ、研究チームは以下のような運動ガイドラインを提案しています。

基本は1日30分のウォーキングを週に4~5回行い、前後にウォームアップとクールダウンを必ず行うこと、週に1回は最大心拍数の95%まで達するレベルの運動を行うこと、具体的には4分間の高強度運動と3分間の軽いリカバリーを4セット行うこと、そして週に1~2回は全身を鍛える筋トレを行うことが推奨されています。

さらに、できれば毎日ウォーキングを行いつつ、自宅で筋トレを行うのが理想的とされています。運動は日々のルーチンとして取り組むべきであり、

その「用量」こそが「人生の処方箋」となると結論付けられています。

運動は毎日の歯磨きやシャワーと同じ感覚で取り組むべきで、その効果は体全体の健康と若さに対して非常に大きなものとなると言えます。

運動を始めるのに遅すぎるということはないというメッセージは、運動を始めるための大きな動機付けとなることでしょう。