〜家族・ママ友・職場・パートナー…つながりの中で、自分を守るヒント〜


「どうしてあの人は、私の気持ちをわかってくれないんだろう」
「私ばっかり頑張ってる気がする」
「嫌われたくないから、本当のことが言えない」
「家族なのに、なんで通じないの?」

ママ友、職場、恋人やパートナー、親、そして子ども…。
私たちは日々、たくさんの人との関係の中で生きています。

そしてそこには、
✔️ もっと仲良くなりたい
✔️ わかってほしい
✔️ 嫌われたくない
✔️ 努力が報われてほしい
そんな強い気持ちが生まれることも。

でも、これらの想いが強くなりすぎると、知らず知らずのうちに
“執着”へと変わってしまうことがあるのです。


■ ヨガの教え「アパリグラハ」〜手放すことの智慧〜

ヨガ哲学の中に、「アパリグラハ(Aparigraha)」という教えがあります。
これは“手放すこと”、つまり執着しない心を持つということ。

人、モノ、結果、評価、役割、理想…。
「こうあるべき」「こうしてくれるはず」と思い込むことで、
自分も、相手も、自由をなくしてしまっているのかもしれません。

でも「手放す」とは、あきらめることではありません。
“こうでなければいけない”という心の縛りから自由になること。


■ 家族・ママ友・職場・恋人…あらゆる人間関係に使える“非執着”の視点

▶︎ ママ友との距離感に悩んだとき

「仲良くしなきゃ」「嫌われたくない」という思いが強くなると、必要以上に気を使って疲れてしまう。
→少し距離を取ることで、かえって自然な関係が築けることも。

▶︎ 職場で評価されたい気持ちが強すぎるとき

頑張るのは素晴らしい。でも「評価されないと意味がない」と思ってしまうと苦しくなる。
→結果を手放し、自分のやったことをまず自分が認めてあげること。

▶︎ パートナーに「もっとこうしてほしい」と思うとき

「わかってくれない」「察してくれない」
→それは期待の裏返し。
相手を変えるのではなく、自分の気持ちを丁寧に伝えていくことが大切。

▶︎ 子どもに「こう育ってほしい」と願うとき

思いや願いが強すぎると、「今の子ども」より「理想の子ども」を見てしまう。
→今できることを見守る、“信じて手放す”という愛し方もある。

▶︎ 親に「理解されたい」と願うとき

過去の親子関係に執着して、「今の自分」を見失っていない?
→期待せず、でも感謝を持って今の自分の道を歩んでいくことも、大切な選択。


■ 執着と期待の違い

“期待すること”自体は悪いことではありません。
でも、それが「そうならなきゃ嫌だ」に変わると、執着になってしまう。

すると、
・我慢して本音が言えなくなる
・自分を犠牲にしてしまう
・相手をコントロールしようとしてしまう

アパリグラハの実践は、
自分の中の「ねばならない」や「こうあるべき」を少しずつ手放していくこと。


■ 日常に活かす“手放す”ための問いかけ

  • 私は、何にこだわっている?

  • 本当は、どうしたかった?

  • 「相手」ではなく、「自分の心」をちゃんと見てる?

たとえば、子どもが反抗してきたとき。
→「言うことを聞かせたい」のは親の都合かもしれません。
「なぜその言葉を言ったのか?」を聞く余白があると、そこに成長があります。

パートナーとのすれ違いがあるときも、
→「私はどうしてほしかったのか?」と自分の本音に気づくことが、関係を育てる第一歩です。


🌿 手放すことで、“本当のつながり”が見えてくる

手放すとは、距離を置くことではありません。
「こうであってほしい」から自由になること。

それは、自分自身を大切にしながら、
相手にも自由を与える行為です。

完璧な関係なんて、きっとどこにもありません。
でも「どうあればいいか」より、「どうあっても大丈夫な心」を育てられたら、
人との関係はもっと楽になり、自然で温かくなるはずです。


✨ 最後に

ヨガはマットの上だけのものではなく、
人との関係や、日々の暮らしの中でこそ生きる哲学です。

自分の心を縛っている執着にそっと気づき、
それを少しずつ緩めていけたら──
今日という一日が、きっと少しやさしくなるはず。

あなたらしい関係を、あなたの心地よいペースで、育てていきましょう。