「うちの旦那、5分抱っこしただけで“腰がやばい”とか言うんです……」
育児中のママたちから、本当によく聞くこの話。
実際、僕のクライアントさんからも何度も耳にしてきました。
筋トレに通ってるはずのパパが、「ちょっと抱っこしただけ」でギブアップ。
「え、何のためにジム行ってんの?」ってなりますよね。笑
でもこれ、実は“珍しいこと”じゃなくて、むしろ自然なことだったんです。
そこには、女性の身体に隠された進化の秘密がありました。
■ パレオな男さんのブログで知った、女性の“本当の強さ”
きっかけは、『パレオな男』さんのブログで紹介されていた1冊の本──
元ジャーナリストのアン・マリー・チェイカーさんによる著書『LIFT』。
彼女は50歳からボディビルを始めた女性で、その本でこう語っていたんです:
「女性の身体は、か弱くなんかない。支える・動く・耐えるために、進化的に最適化された構造なんだ」
この一文に、僕は完全に腑に落ちました。
■ 昔の女性は、“持久系アスリート”だった
旧石器時代の女性たちは、現代の女性アスリート並みの骨密度を持っていたことが、
カナダの人類学者アリソン・マレーの研究で明らかになっています。
つまり、女性の身体は本来、
農作業・子育て・移動生活などに耐えるために**“タフネス特化”で設計されていた**わけです。
▽ 例えば、当時の暮らしは…
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赤ちゃんを背負って数kmの移動
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木の枝や薪を抱えて歩く
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食材を採取し、火を起こし、調理や水くみに奔走
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作業の最中も、ずっと子どもをおんぶ・抱っこ
これ、完全に全身運動のオンパレードですよね。
毎日が「筋トレ」と「持久走」のミックスだったような生活です。
その積み重ねが、骨や筋肉を自然に鍛え、タフな身体をつくっていたんですね。
■ 骨密度って、ただのカルシウムじゃない
「骨密度=カルシウムをたくさん摂ればOK」
と思っていませんか? 実は、それだけじゃ不十分です。
骨って、「動いて・負荷をかける」ことで強くなる臓器なんです。
この仕組みは**「骨の再構築(リモデリング)」**と呼ばれます。
筋肉と同じく、刺激を受けた部分が強くなっていく性質がある。
▽ たとえばこんな日常動作も“骨トレ”に:
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階段の上り下り → 太もも・すねの骨が刺激される
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抱っこして立ちっぱなし → 骨盤・背骨の骨密度アップ
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買い物袋を片手に持つ → 上腕・手首の骨が強くなる
つまり、**抱っこも立派な「骨トレ」**だったんです。
■ 科学的にも証明された「女性の持久力の高さ」
2016年に発表された55本の研究をまとめたレビューでは、女性が持久系運動で男性より平均36%長く動けたというデータが出ています。
さらに…
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女性の筋肉は“遅筋”が多く、長時間動くのが得意
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筋肉の回復速度も早く、疲労しにくい構造
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脂肪代謝が得意で、スタミナを長く保てる
これって、まさに抱っこ・家事・育児といった“耐久型の日常”にぴったりな構造ですよね。
■ 「女性=か弱い」はフィクションだった
本来タフなはずの女性の身体が、なぜ「細く、儚げであるべき」とされてきたのか?
この背景にも、しっかり理由があります。
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19世紀末:上流階級の間で「肥満=怠惰」という偏見が強まり、「女性は細くあるべき」という価値観が広まる
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20世紀:食品産業とカロリー計算ブームにより、ダイエット市場が巨大化
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戦後の家庭観:「完璧な妻=スリムで控えめ」という社会通念が定着
この流れの中で、「女性=か弱くて細くあるべき」という価値観が**“人工的に作られた”もの**だということがわかります。
でも本来、女性の身体は「痩せるため」ではなく、“支えて動くため”にデザインされているんです。
■ タフな身体がくれる“5つのご褒美”
じゃあ今、改めてタフな身体を育てるとどうなるのか?
答えはシンプル。「生きるのがラクになる」。
✔️ 肩こり・腰痛が減る
→ 姿勢が安定して、抱っこも負担にならない
✔️ 疲れにくくなる
→ 家事・育児・仕事のあとも元気が残る
✔️ 骨折リスクが下がる
→ 特に更年期以降の骨粗しょう症を予防できる
✔️ 睡眠・メンタルが安定する
→ 筋肉が幸福ホルモンや深い睡眠をサポートしてくれる
✔️ 見た目が変わる
→ 姿勢が整い、引き締まった身体&若々しさも手に入る
■ 女性の「支える力」を引き出すトレーニング3選
① 骨に刺激を与える“荷重系”エクササイズ
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スクワット(自重でOK)
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踏み台昇降
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片足立ち+買い物袋
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おんぶしながらの足踏み
② 筋肉を育てて骨を守る「週2回トレ」
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プッシュアップ(壁でもOK)
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ヒップリフト(骨盤まわり安定)
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ランジ(足腰+股関節に効く)
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バンドで背中トレ(姿勢改善)
③ 姿勢と耐久力を高める“体幹トレ”
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プランク(30秒〜)
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骨盤を立てた座り方練習
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片足立ち+バンザイポーズ
■ 今日のまとめ
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女性の身体は「か弱い」のではなく、「支える・動く・耐える」に特化した進化の結晶
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骨密度は「動くこと」で育ち、筋肉と一緒に鍛えることでさらに強くなる
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長時間の抱っこができるのは、“本能”と“設計”によるもの
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ちょっとのトレーニングで、あなたのタフネスはすぐ戻る
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骨も筋肉も、何歳からでも間に合う!
ママが長く抱っこできるのは、偶然じゃない。
それは、進化がくれた“本物のチカラ”なんです。
だからこそ、その力を眠らせたままにしないで。
あなたの身体は、もっとラクに、もっと強く、生きていける。
今日の抱っこも、家事も、仕事も、すべてがあなたの“トレーニング”です。
そしてそのトレーニングは、あなたの未来を確実に変えてくれます。